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相続登記(不動産名義変更)って自分でできるの?司法書士の先生に聞いてみた!
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。そのため、焦って登記をしなきゃと思われている方も多くいらっしゃると思います。
本日は、司法書士の先生に「一般の方がご自身で相続登記を進めることができるのか?」をお伺いさせていただきます。
まずは相続登記の流れや必要書類等を解説させていただきます。
この記事の監修者:石井 知幸
1989年 石狩市生まれ社員司法書士
2012年 第一司法書士合同事務所入所
2012年 司法書士登録
札幌司法書士会所属 登録番号 札幌第789号
簡裁訴訟認定番号 第1143004号
司法書士法人第一事務所・行政書士法人第一事務所のグループに所属し、相続に関する実績は1万2000件超。相続に関するスペシャリストとして高い評価を受けている。
目次
・ 相続登記の流れ
-- 1.相続する不動産の確認
-- 2.遺言または遺産分割協議書で相続人を決める
-- 3.相続登記に必要な書類を準備する
-- 4.管轄の法務局へ申請する
・ 相続登記に必要な9つの書類
-- ➀登記申請書
-- ➁相続登記の対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
-- ③遺言または遺産分割協議書
-- ④被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
-- ➄被相続人の住民票の除票
-- ➅不動産を取得する相続人の住民票
-- ➆相続人全員の戸籍謄本
-- ➇法定相続人の印鑑証明書
-- ➈固定資産税評価証明書(固定資産課税通知書)
・ 相続登記に必要な登録免許税
・ 司法書士の先生に相続登記の進め方について聞いてみました!
相続登記の流れ
不動産の登記は、その不動産が存する地域を管轄する法務局で行います。札幌市中央区の場合は、札幌法務局(本局)になります。
不動産登記の専門家である司法書士に依頼するケースも多いですが、ご自身で行う場合の手順を説明させていただきます。
1.相続する不動産の確認
亡くなった方が不動産を所有していたら、その不動産の権利関係を確認します。
管轄する法務局で謄本を取得することもできますし、登録が必要にはなりますが、現在はインターネットでも取得できるようになりました。
戸建・マンション・土地などによっても違いますが、不動産は土地、家屋に分けて登記されていますので、まずはそれぞれの所有者を確認します。また土地の場合は、1つの敷地として利用していても登記簿上では、何筆かに分かれていることもありますので、注意が必要です。
所有者が単独名義であればその不動産の全てを相続出来ますが、万一、他の方との共有名義だった場合は、亡くなった方の持分のみの相続となります。
また、敷地に面している私道が近隣の方と共有名義になっていたり、マンションの敷地も亡くなった人の持分が記載されていることもありますので、漏れがないように調査を進めましょう。
2.遺言または遺産分割協議書で相続人を決める
遺産相続については、遺言書があればその遺言が優先されるため、不動産を相続する人を確認します。
遺言書がない場合は、相続人による遺産分割協議で遺産をどのように分けるか話し合いをして、不動産については誰が相続するかを決めることになります。お話が纏まりましたら、全員が合意したという証明として遺産分割協議書を作成し、相続人が記名・捺印をします。
不動産を相続する人が決まりましたら、その人が必要書類を集めて相続登記の準備を行い、手続きを進めていきます。
3.相続登記に必要な書類を準備する
相続登記に必要な書類は、亡くなった人の戸籍関係の書類や相続人に関する書類、相続する不動産の固定資産税評価証明書などがあります。(必要書類については、後程詳しく説明します。)
不動産登記の申請書は、法務局のホームページで様式をダウンロードすることができます。
また記載例も一緒にダウンロードすることができるため、それをもとに必要事項を記載し、書類を作成していきます。
4.管轄の法務局へ申請する
相続する不動産の所在地を管轄する法務局へ行き、不動産登記の窓口にて申請を行います。登記申請書と添付書類一式を提出して受付が完了します。
また登記の申請には登録免許税の納付が必要になりますので、併設されている印紙購入の窓口で所定の収入印紙を購入し、申請書に貼り付ける必要があります。
※札幌市中央区に存する不動産は、札幌法務局(本局)になります。
書類を提出後は法務局で書類の審査と登記を行うため、10日ほど時間を要します。
無事に登記が完了しましたら、登記識別情報通知や登記完了証を受け取れますので、大切に保管します。書類は法務局まで受け取りに行くか、受付時にレターパックを持参すると郵送にて送ってもらうこともできます。
相続登記に必要な9つの書類
➀登記申請書
前述でも記載した通り、登記申請書は法務局のホームページからダウンロードすることができます。
➁相続登記の対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
登記事項証明書(登記簿謄本)は、相続登記を行う土地・家屋などの情報を申請書に記載するために必要となります。
不動産の表示に関する所在地や地目、構造、面積などを登記簿謄本通りに記入します。登記事項証明書は、申請管轄に限らず全国の法務局で取得することができます。
③遺言または遺産分割協議書
遺言による相続の場合は、遺言書が必要となります。公証役場で残した遺言は、そのまま法務局の登記申請に利用可能ですが、自筆で書いた遺言書の場合は、家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。
遺産分割協議書によって相続する場合は、相続人全員の実印で押印してある遺産分割協議書と、押印した相続人の印鑑証明書も必要です。
相続人が1人で分割協議書も遺言書もない場合は、必要ありません。
④被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
まず最初に被相続人の死亡時の戸籍謄本を入手し、その戸籍がどこから移されたのかを確認します。確認できましたら、1つ前の戸籍謄本を本籍地の役所で入手し、同様にさかのぼって出生時までの戸籍謄本を入手します。
遠方の場合は、郵送で取り寄せることも可能ですが、時間を要するケースが多いです。
また、高齢の方の場合は戸籍を何度か移動していることも多く、出生時迄の戸籍謄本に辿り着くまでに時間がかかる可能性があります。
■戸籍証明書の広域交付制度も利用できます
令和6年3月1日から、戸籍証明書の広域交付制度が始まっています。相続人本人であれば、たとえば札幌市の区役所窓口で、他の市町村分の過去戸籍も含めて請求することが可能になりました。
ただし、申請が多く混み合っている場合は、申し込んでから数週間以上の時間がかかることもあるようです。
➄被相続人の住民票の除票
被相続人の最後の住所地を役所で入手します。
➅不動産を取得する相続人の住民票
不動産を取得する相続人の住民票が必要となり、役所で入手します。(戸籍の附票でも可)
現在は、マイナンバーカードを利用してコンビニで取得することができます。
➆相続人全員の戸籍謄本
相続人がそれぞれ本籍地のある役所から戸籍謄本を入手します。
現在は、マイナンバーカードを利用してコンビニで取得することができます。
➇法定相続人の印鑑証明書
遺産分割協議によって相続した場合、遺産分割協議書に押印した印鑑が実印であることを証明するために、押印した全員分の印鑑証明書が必要となります。
現在は、マイナンバーカードを利用してコンビニで取得することができます。
➈固定資産税評価証明書(固定資産課税通知書)
固定資産税評価証明書は、不動産の所在地を管轄する市税事務所で取得することができます。
固定資産評価証明書を請求する場合には、登記名義人の死亡の記載がある戸籍謄本と請求者との相続関係が分かる戸籍謄本を添付する必要があります。
ただし、毎年4月頃に送られてくる「固定資産税納税通知書」にも記載されていますので、納税通知書が手元にある場合は、固定資産評価証明書をあらたに取得する必要はありません。
相続登記に必要な登録免許税
登録免許税とは、登記を申請する時に国に納める税金のことです。税額は、土地や建物の固定資産税評価額に定められた税率をかけて算出します。
相続を原因とする所有権移転登記の税率は、1000分の4と定められています。
登録免許税=不動産の固定資産税評価額×税率0.4%(4/1000)
ただし、相続人以外の人が遺言等によって取得した不動産を登記する場合は、税率が2%と定められていますので注意が必要です。
例えば固定資産税評価額が1000万円の土地を相続する場合には、4万円の登録免許税を納める必要があります。
司法書士の先生に相続登記の進め方について聞いてみました!
先生、本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
相続登記が義務化されてから約1年が経過しましたが、相続登記のご相談は増えてきておりますか?
ニュースをご覧になったりとかで相談自体は増えております。やはり義務化となったことはかなり大きいようです。
義務化されてから相談が増えているのですね。
そこで本日は、一般の方が相続登記をご自身でできるのかをお伺いさせていただきます。先生は、専門家ではない一般の方が相続登記をできるとお考えですか。
ケースバイケースかと思います。例えば、相続人が御一人のケースとかだとご自身でも手続きを進めることができると思います。
しかし、相続人が複数いらっしゃるケースで相続人間で仲が悪かったりすると、ご自身で相続登記をすることは難しくなるかと思います。
相続人が単独の場合は、他の方と揉めるといったことがないためご自身でできるとお考えですね。逆に、相続人が複数いるケースでは注意が必要そうですね。
相続登記を進めていく上で気を付けることはありますか?
まずは相続の対象となる不動産を調査することが重要になります。
自宅以外に不動産を所有していることが分からず、相続登記が漏れてしまっていることが散見されます。売買契約書や権利証など、残されている資料を確認して調査する必要があります。
相続する不動産の調査が終わったら、登記簿謄本を取得して所有者を確認しましょう。被相続人の名義となっていれば問題はないですが、例えばお父様が亡くなった場合に、土地の名義を確認したらお祖父様の名義のままになっているようなケースでは注意が必要です。
被相続人が相続登記をしていないまま亡くなった場合には、相続人の増加や関係性の薄い相続人とのやり取りが必要になる危険性があり、そうなるとご自身で手続きを進めることは難しくなります。
特に高齢の方が被相続人の場合、本来の相続人の子供や孫の代まで相続人となっていることがあるので、相続人を突き止めるまでも大変ですよね。過去にご依頼をいただいた方でも相続登記の手続きに1年以上かかったケースもありました。
他に注意点はありますか?
遺産分割協議でも、亡くなった方の介護で負担が大きかったから多めに取り分を欲しいと主張されたり、生前被相続人から引き継ぐ約束をしたなど、心情的に分割協議がスムーズにいかないケースがよくあります。
お気持ち面が出てくると当事者間でお話が進まないことが多く、相続登記自体が難しくなります。そうなった場合、専門家など第三者から説明を受けることで納得してもらえることもありますので、第三者に依頼することも視野に入れてお話合いをすることをオススメします。
なお、司法書士は法律や手続の方法をご説明することはできますが、紛争が生じた場合に間に入って交渉を行うことはできません。当事者間でのお話合いが難しいほどに協議が拗れてしまった場合には、改めて弁護士の先生をご紹介することもあります。
確かに仲が良かった兄弟でも相続を機に揉めて仲が悪くなったとのお話を聞きますよね。相続登記申請自体は、難しいのでしょうか。
相続登記申請自体は、書類さえ揃っていれば法務局に提出するだけになりますので、難しくありません。
万一、窓口で不足書類があった際は教えていただけると思いますし、札幌法務局では登録免許税の印紙を買う場所が併設されいるため、免許税がいくらか分からない場合でも教えて貰ってから購入できるので安心です。
相続登記申請自体は、書類が揃っていれば難しくないのですね。
今日の先生のお話をお伺いすると、相続登記申請の前段階である遺産分割協議や書類の取得の方が時間を要することがあり、そこさえクリアできればご自身でも相続登記申請ができそうと感じました。
しかし、書類を取得する時間がない方や相続人が複数いるケースでは揉めたり、話し合いが長期化することもありますので、第三者の司法書士の先生にお任せする方がベターかと思います。
先生、今日はありがとうございました。
相続登記の手続きをしなきゃと思われた方で、何をすれば良いのか分からないお客様がいらっしゃいましたら、是非石井先生にご相談してみてください。
司法書士法人第一事務所・行政書士法人第一事務所のグループのホームページはこちら
今回の相続登記の関するページをご紹介いただきました。
「司法書士石井知幸が株式会社ノースウェイプランニング様の執筆記事を監修いたしました」