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一括査定を利用した時の注意!~一括査定の裏側を公開~
不動産会社にご所有不動産の価格の査定を依頼する方法のひとつに「一括査定」があります。複数の不動産会社から無料で気軽に査定金額を教えてもらえるため、利用者が急増しています。
しかし便利な反面、この一括査定には注意しなければいけないことがあります。今回は、一括査定の裏側がどうなっているか…?一括査定の闇についてご説明させていただきます。
目次
・ 不動産売却の一括査定とは?
・ 一括査定サイトの仕組みを理解しよう
・ 一括査定では、高額査定が当たり前!
-- 不信感がある場合は不動産会社を変更しましょう
・ 査定価格だけで依頼する不動産会社を判断しない
・ まとめ
不動産売却の一括査定とは?
不動産売却の一括査定とは、ご所有不動産の情報を登録すると、一括査定サイトの運営会社に登録されている複数の不動産会社へ情報が送られ、その不動産会社から査定金額を教えてもらえるというサービスです。
現在では、インターネットで「不動産査定」と入力しリサーチすると、一括査定サイトのページが出てくるのがほとんどです。
一括査定サイトであれば、ご自身で何社も問い合わせをする必要がなく、手軽に複数の会社へ一度に依頼することができるため、利用者が多くなっています。
現在、25社以上の一括査定サイトがあるみたいです。
・すまいバリュー
・HOME4U
・イエウール
・LIFULL HOMES
・イエイ
・すまいステップ
・リビンマッチ …等々
これだけあると、どこに依頼すればいいか迷ってしまいますよね。。。
一括査定サイトの仕組みを理解しよう
括査定サイトの運営会社は、ご所有不動産を売却する予定のお客様から、インターネットを通じて査定依頼を獲得し、獲得した情報を登録している不動産会社に情報を送信します。
●売主様(一括査定サイトに登録)
↓
■運営会社(情報を各不動産会社に送付)
↓
▲登録している不動産会社
1社目:札幌不動産販売
2社目:札幌エステート
3社目:(株)ノースウェイプランニング
4社目:中央区不動産
5社目:円山不動産
6社目……7社目……
このとき各不動産会社は、情報提供料として10,000円~20,000円を運営会社へ支払います。
一括査定サイトによって、一度に依頼できる不動産会社の数が決まっておりますが、一度に4~10社へ依頼できるサイトが多いように思います。
仮に5社から1件あたり20,000円を受け取れるなら、運営サイトは、1件の査定依頼を獲得すると、100,000円を稼げることになります。
お客様は、無料だからといって気軽に利用されますが、不動産会社としては、運営会社に高額な情報提供料を支払っているため、なんとかお客様から売却の依頼をいただこうと必死にセールスを行います。
一括査定では、高額査定が当たり前!
上記でもご説明した通り、一括査定では、不動産会社は情報提供料として運営会社に報酬を支払いお客様の情報を入手します。
不動産会社の立場からすると、売却の依頼をいただき仲介手数料を頂戴できなければ、「赤字」になります。また一般の不動産会社では、売却の依頼を獲得できなければ、上司からお叱りを受けるケースもあるでしょう。
そうすると不動産会社は、売主様から売却の依頼を受けることがゴールとなってしまいます。
では一括サイトに登録している不動産会社は、複数社の中からどうやってお客様に選んでいただくか…
査定金額を本当の査定金額より10%~20%高くお客様に伝える
査定の依頼者は、査定価格(本当に売れるであろう価格)を知りたいと思いますが、各不動産会社からは、ウソの価格(相場と乖離している高い価格)を伝えるのです。査定価格を高くされても売れなければ意味がないため、そんな会社を選ぶはずないと思っていませんか?
実際に現場で対応させていただいていると、必ずと言っていいほど高い金額の査定書を見ると『本当にこの金額で売れるの?!』とお客様は喜んでしまいます。
高値査定は、かなり効果的で会社の規模に関係なく絶大な威力を発揮します。
例えば、一括査定サイトから依頼された3,000万円で売れそうなマンションがあったとします。その際、不動産会社から次のように伝えられたとしたら、どのように感じるでしょうか?
弊社:「3,000万円であれば、3ヶ月で売れると思います」
他のB不動産会社:「すごくいい物件なので、3,500万円で売れる」
他のC不動産会社:「3,800万円で売れる」
他のD不動産会社:「今ちょうど周辺で探しているお客様がいるので4,000万円で売れる」
こうなったら、どうでしょう?
正直に3,000万円と査定価格を伝えた弊社には、頼む気はなくなりますよね。一般的に考えると4,000万円と言ってくれたD不動産会社に頼もうと考えるのが、普通ではないでしょうか。
このように、一括査定サイトでは本当に売れる価格ではなく、他の不動産会社はどのくらいの金額で査定書を作ってくるかの探り合いになり、その中で一番高い査定書を作ろうとなるため、査定金額だけがどんどん吊り上がってしまいます。
そしてこの結果、正直に査定金額をお伝えした不動産会社は、安い査定をする会社とレッテルを貼られ、馬鹿をみることになってしまいます。
提示した金額では売れないのに依頼を貰っていいことがあるの?と思われるかもしれませんが、最初に申し上げた通り、不動産会社は依頼を受けることがゴールとなっているため、本当に4,000万円で売れるかは関係がなくなっております。
もし仮にD不動産会社に依頼をすると、相場からすると売れない可能性が高いので、3ヶ月程が経過した頃に「一生懸命、販売活動をしてますが、売れないので価格を下げましょう」と提案され、長い時間をかけたはいいが、最終的に3,000万円で売却するというのが末路になります。
不動産会社側からするれば、結果的に3,000万円で売れて仲介手数料を頂戴できるため、高い金額を提示してとにかく依頼を貰えればOKということです。
不信感がある場合は不動産会社を変更しましょう
高値で売却の依頼をしたお客様の中には、「お客さんがいるから4,000万円で売れると言って頼んだのに売れないじゃないか」と依頼した不動産会社に不信感を持たれている方もいらっしゃると思います。
その場合は、その会社に売却が完了するまで依頼し続ける必要はありません。
少しでも不信感を持たれたり、査定当初と言ってることが違うと感じたら、不動産会社を変更することを検討しましょう。
売主様が依頼を断ろうとすると、不動産会社は依頼を断れないよう色々と理由を付けて契約を延長しようとしてきますが、途中で不動産会社を変更しても問題はございませんので、はっきりと意思を伝えるようにしましょう。
そして、正直な査定価格を伝えてくれた会社に再度相談をして、売主様の立場に立って、アドバイスをくれる不動産会社をもう一度、探してみましょう。
査定価格だけで依頼する不動産会社を判断しない
上記でお伝えさせていただいた通り、一括査定サイトでは「高額査定」が当たり前になっております。
確かに高額な査定をしてもらうと、高く売ってくれるのではと期待してしまいますが、査定価格=「必ず売れる額」ではないということをよく理解した上で利用するようにしましょう。
査定額とは、各社が「これくらいで売れるだろう」と予想する金額です。
過去の成約事例や物件の状況や周辺の相場を鑑みて、各社ともに「おおむね3ヶ月以内に売却できる金額」を予測して算出します。
「予想」ですから「必ず売れる金額」ではないことは必ず念頭に置いて査定に臨まなくてはなりません。
提示された査定価格に振り回されることなく、売主様が売却価格を決断するための「参考」として考えるのが適切です。
また、どうしてその査定価格になったのか、根拠が大事になります。ただお客様がいるからや相場が上昇傾向だからといった安易な理由で高値の査定価格を提示する会社は、疑って話を聞いてみましょう。
高額な金額の査定を提示された場合は、算出の根拠が明確であるか否かを確認することが大切です。周辺地域のどの事例を利用しているか、自身の不動産のどの点を評価されたのかなど疑問に思ったことは質問していき、売主様が納得できる説明があれば信頼できる不動産会社と言えるのではないでしょうか。
まとめ
個人的には、不動産の一括査定サイトは手軽に複数の不動産会社に査定依頼ができる便利なサービスだと思います。
ただし一括査定サイトの仕組みを理解したうえで、高値査定があるということを認識し、査定価格に左右されないよう注意が必要です。
確かに高い査定金額だと、「こんなに高く売れるのか!」と嬉しい気持ちになりますが、あくまで査定価格は、売れる価格ではなく指標とすることが大事になります。
また高値査定だった場合、なぜこの査定金額になったのか、根拠を聞くことがとても重要になります。疑問に思ったことは質問していき、売主様が納得できる説明があれば、 信頼できる不動産会社と言えるのではないでしょうか。
売主様のために正直な査定金額を伝えてくれる、「信頼できる不動産会社」を探してみてください。
弊社では、根拠に基づいて査定価格を算出しているため、高値査定を行っておりません。本当の査定価格を知りたい方は、是非査定のご依頼ください。